愛知県から射水市に移住。

菅沼 航大さん
2000年生まれ
出身地:愛知県豊橋市
前住所:愛知県
移住時期:2024年
現住所:富山県射水市
職業:Athricheアスリッシュ陸上スクール 講師

愛知県に生まれ育ち、富山には縁もゆかりもなかったという菅沼さん。

現在は、富山を拠点に陸上スクールの講師をされていますが、前職は警察官だったそう。

そんなキャリアをもつ菅沼さんに、移住までのリアルや現在の暮らしについてお聞きしました。

―射水市への移住を考えたきっかけについて教えてください。

やりたいことを仕事にするなら今だ」と思ったことがきっかけです。もとを振り返ると、前職時代に出会った上司の影響で、マラソンが大好きになったことが始まりでした。

僕は高校卒業後から、地元である愛知県で警察官として勤務していました。4年目を迎える年に、当時所属していた警察機動隊の幹部としてマラソン好きの上司が異動してきて。僕は学生時代に陸上部として長距離走をしていたので、その上司に気に入られ、マラソンの練習を一緒にするようになりました。走っているうちにランニングの楽しさにどんどんハマっていって、昨年度はフルマラソンに3回出場したほどです(笑)

そんな中で、陸上競技関係で仲の良い友人が愛知で陸上大会を開催することになり、僕も誘われて参加することになりました。このとき、「こんな仕事もあるんだな。やってみたいな。」と思ったんです。

転職サイトやSNSで仕事探しをするなかで、今の上司である西村顕志さんとXで知り合いました。西村さんは、「アスリッシュ」という小学生向けの陸上スクールを行っている方なのですが、やり取りをするなかで、今後はマラソンやランニング事業も行っていきたいと考えていることを知りました。まさに、やってみたいと思っていた仕事です。

西村さんとやり取りを始めてからまだ1週間しか経っていませんでしたが、「今動かなければ、いつまで経っても動かない」と思い、愛知県警に退職届を提出、富山県に行くことを決意しました。

―短い期間での大きなご決断だったと思うのですが、上司やご家族の反応はいかがでしたか?

 家族にはとても心配をかけました。ですが、「航大の人生だから」と納得してもらいました。上司も「マラソンに漬けすぎてしまったか…」と後悔していたのですが、その後は納得していただき、ほかの先輩方にも「自分の進みたいようにやってみればいい!」と背中を押していただきました。

 また、付き合って1年が経つ彼女がいるのですが、彼女には転職を考えている段階から相談をしていました。彼女自身とても悩んでいましたが、僕が移住する1年後に彼女も富山に移住してくれることになり、今の活動を応援してくれています。そんな彼女のためにも、富山で本気で頑張ろうと決意しました。ちなみに、彼女とは来年入籍予定です。

―住居探しはどのようにされましたか?

アパート探しも考えたのですが、最終的には西村さんに紹介していただき、射水市西高木に住む中谷幸葉さん(中谷さんの記事リンク)の古民家の一室を貸していただけることになりました。

というのも、アスリッシュでは、中谷さんの古民家の横に広がる畑を使って「アグリスポーツ」のイベントをやっていて。これから富山で活動していくうえで、アスリッシュの活動拠点のすぐ近くに住めることは、自分にとって大きな安心材料でした。

―それでは、移住後への不安はあまり感じていなかったですか?

 警察官時代は寮生活だったこともあり、人間関係への不安はありませんでした。

 ただ、古民家にエアコンが無いと聞いていたので…夏を乗り越えられるかは不安でしたね(笑)

実際の夏は、本当に大変でした(笑)扇風機をつけっぱなしにすると体がだるくなるし、つけなかったら暑すぎるし。結局、エアコンは夏が終わってから設置されましたね。

―過酷な夏を過ごされたんですね…(笑)移住してからの射水市の印象はいかがですか?

 平日は富山市と金沢市にある競技場で陸上スクールをしているのですが、古民家が国道8号線沿いにあるので車での移動がしやすく、移動面での不便はないです。

 あとは、射水市は海が近いので、普段のジョギングでは海沿いを走りに行くことが多いです。新湊大橋の景色が特に好きで、綺麗な海を見ながら走ることが気晴らしにもなっています。

―アスリッシュを通して、射水市ではどのような取り組みをされているのですか?

 射水市は子どもの減少や農家の後継者不足などの地域課題が深刻なので、ランニングと掛け合わせることで解決に向けた取り組みをしています。例えば、古民家の隣にある畑を使って、農業とスポーツを掛け合わせた「アグリスポーツ」のイベントを開催したり、今年の夏には、廃校予定の放生津小学校の校舎を活用して、射水市・富山市・高岡市の小学生を招いた一泊二日のサマーキャンプを開催したりしました。

―射水市では、地域により入り込んだ活動をされているんですね。それでは最後に、今後射水市や富山県でやりたいことについて教えてください。

 社会人向けのランニングコミュニティを作りたいです。例えば、射水市の太閤山ランドには3.4kmのランニングコースがあるので、社会人ランナーの集いの場として活用できそうだな、と注目しています。ほかにも、「アグリスポーツ」のように、ランニングと異なる分野を掛け合わせたイベントも企画していきたいです。

射水市に移住してまだ日は浅いですが、イベント企画を通して射水市にも詳しくなれたらな、と思っています。

 また、移住を検討している人に向けた「移住あるある」などのSNSコンテンツを作りたいと考えています。移住と転職を体験した立場だからこそ寄り添える悩みがあると思うので、そういった人たちの不安を解消できるような発信をしていきたいです。